水仙

水仙は英名でNarcissus(ナルシッサスまたはナルキッソス)とよばれ、語源はギリシア神話時代にまでさかのぼります。ギリシア神話の水仙に関しては後で詳しく紹介しますが(筆者がギリシア神話好きなもので)どうやらその時代から水仙は愛好されていた花のようですね。ここでは水仙にまつわるお話を紹介していきましょう。

水仙の植物学

それでは水仙というものはどのような花なのかを紹介しましょう。水仙は大きく分けて彼岸花の仲間から特徴が似通ったものを集めたスイセン属の一種になります。水仙の花の美しさは昔から愛好され、品種改良が進んだ結果現在では多品種が栽培されるようになりました。寒い時期に水辺を好んで咲き、その花はまるで水面を覗き込んでいるようにも見えます。ただ、花はきれいなのですが、葉のほうはまるでネギかニラのようであまりきれいとは言いにくいかもしれません。事実、ニラと間違えて食べてしまい、病気になってしまう人がいるほどです。水仙の葉は形が似ていても例のニラの香りがありませんから、そこで判別するといいでしょう。また、引っこ抜いてみると水仙は球根、ニラはひげのような根(ネギのようなもじゃもじゃした根)をしているので一目瞭然ですが、用も無いのに抜くのはかわいそうですね。

水仙の育て方

水仙は球根植物なので比較的丈夫で、しかも寒さにも強い(というか寒さにあてないと花が咲かない)特徴があるため育てやすい花です。水仙の球根が出回るのも寒くなる秋の終わりあたりからです。なお、大きく分けて水仙には日本水仙と西洋水仙がありますが、開花時期が違う程度で栽培方法は変わりません。

水仙を育てるヒント

・日当たりが良いところに置くと、花が咲きやすくなります。
・あまりに土地が痩せている場合以外、肥料はほとんど不要です。
・葉切りはしないようにしましょう。球根が育たなくなり、来年水仙が咲かなくなります。
・7月頃になると球根の小玉ができているはずなのでそれから増やすことが出来ます。
・水仙は丈夫で植えっぱなしでも育つほどですが、夏に水をあげすぎると根腐れします。

ギリシア神話の水仙

ギリシア神話にでてくる神様はみんな人間臭いのですが、中でもうわきっぽいゼウスと嫉妬深い妻ヘラは、しょっちゅう問題を起こします。さて、ゼウスはある日“いつものように”目をつけた女性にアタックしますが、その際ヘラに見つからないようにと「エコー」という妖精に見張りを頼みました。後日、まんまとゼウスにやられたヘラはなぜかエコーにその怒りを向け、自分からはなにも話せない、人の言葉をオウム返しすることしか出来ないようにしてしまいます。余談ですが、なぜかギリシア神話の登場人物は他人に八つ当たりする人ばっかりですね。

ナルキッソス

ところでこのエコーには好きな少年がいました。それがナルキッソスです。しかし、ナルキッソスは自分の美しさにしか興味が無く、哀れエコーは捨てられてしまいます。悲しんだエコーは消えてしまい、今では「エコー(こだま)」という名前のみが残るだけです。さて、ナルキッソスのほうはそれからも求愛を断り続け、復讐の女神ネメシスによって「自分自身を愛する」のろいをかけられてしまいす。

水辺に咲く水仙

ナルキッソスがある日水を飲もうと池に顔を近づけたとき、水面に写る自分の美しさのとりこになってしまいます。ナルキッソスはそのまま動くことも出来ずひたすらに自分の姿に見とれ続けるようになりました。やがてナルキッソスの姿は消え、そこには水面に写る姿を見つめるように咲く水仙が残るばかりでした。今ではナルキッソスはナルシストの語源になっています。

水仙の花言葉

このようないわれがある水仙だけに、花言葉も「うぬぼれ」「自己愛」といったナルシストらしい意味があります。しかし色によっては「気高さ」「もう一度愛して」(黄色い花の場合)といったものや、品種によって「いつまでも待つ」「報われぬ恋」(ラッパ水仙)「優しい追憶」(笛吹水仙)などもあるようです。全体的には悲恋系・ナルシスト系・思い出系に分けられるようです。水仙の花はきれいなのですが、贈り物にするときは少々考えた方がいいかもしれませんね。

水仙のまとめ

水仙の元はといえば、原産国は地中海の辺りで日本にはかなり遅くに入ってきた植物の一つです。しかし日本の気候に大変合っているのか越前海岸など、水仙の群集地が現れるほど日本になじんだ花だと思います。今では福井県の県花と制定されているのをはじめ、日本中に愛好家がいる花の一つです。花の美しさ、香りのよさがなにより愛される理由でしょうか。栽培や育て方も比較的簡単なので、一つ育ててみてはいかがでしょうか?

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