彼岸花

彼岸花はその名の通り不吉なイメージで嫌われやすい花です。でも、茎がまっすぐに伸びたそのたたずまいが切ない感じがしてもっと深い意味があるような気がしてなりません。最近ではこのような暗いイメージより、別名リコリスとしての明るいイメージもあるようです。このように人を惹きつける彼岸花の魅力って何なのでしょうか。

彼岸花ってどんな花?

彼岸花はヒガンバナ科ヒガンバナ属の花です。2500年ほど前に中国から伝わってきました。昔はあぜ道などに自生していましたが、道路の整備によって年々姿を消しています。それでも彼岸花の名所には埼玉県日高市や奈良県榛原町などがあり、彼岸花の生命力の強さを見せています。9月中旬には花びらが放射状に開きます。彼岸花というと赤い花をイメージしますが、白や黄色、ピンクもあります。仲秋の名月の頃、田んぼの中にたたずむ彼岸花はとてもきれいです。

彼岸花の花言葉

彼岸花にはたくさんの別名があります。彼岸花にはちょっと日本的な背筋が寒くなるイメージがあるようです。彼岸花の花言葉は「悲しい思い出」「想うはあなた」「また会う日を楽しみに」があります。韓国でも「相思華」といって「葉は花を想い、花は葉を想う」といわれています。これは彼岸花が花と葉を同時に見ることができないという特徴からですが、何となく遠くに想いを馳せている感じがします。秋の季語にぴったりですね。良いイメージとしては、仏教で「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」といっておめでたいことが起こる前触れに、空から赤い花びらが降ってくるという意味で「天上の花」とも呼ばれています。彼岸って悟りの境地という意味もあるので、仏教では良いイメージなのかもしれませんね。また、ギリシャ語ではリコリスといいます。彼岸花と区別することもありますが、彼岸花の美しさから海の女神の名を採っています。名前が変わるだけでイメージも変わってしまうんですね。

彼岸花の成分

彼岸花の球根や茎にはリコリンという毒性のある成分があります。これらを口にすると吐き気や下痢を催すことがあります。昔の人は根を水にさらして毒を抜き、食料としてでんぷん質を摂っていました。リコリンには炎症を抑えたり防虫効果もあり、摩り下ろして湿布にしたりネズミや野犬よけに使われていました。口にするには毒になってしまうけれど、外用薬としては効果があったようです。

彼岸花の種類

白花彼岸花(白花曼珠沙華):黄色やピンクといった彼岸花は、白花彼岸花の突然変異が原因で、花や葉などたくさんの種類の彼岸花が誕生しています。
黒赤彼岸花:普通の彼岸花より濃い赤色をした彼岸花です。9月頃開花します。
早咲彼岸花:8月の半ばに開花する彼岸花です。 遅咲彼岸花:野生の彼岸花が枯れた10月頃に咲く彼岸花です。

彼岸花の育て方

彼岸花は球根を植えて育てます。球根は袋に入って園芸店などで販売されています。彼岸花の球根は7〜8月に赤玉土と腐葉土を混ぜたところに植えます。庭でもプランターでも植えることができます。鉢植えなら一回り大きな鉢を選びます。水遣りは極端に乾き過ぎないように与えます。肥料は与えなくても育ちますが、もし与えるなら堆肥や配合肥料を軽く与えるとよく育ちます。育てるのはそれほど難しくありません。上手に育てるコツは、一度植えたら植えっぱなしにして、動かさないことです。9月が開花時期なのであっという間です。開花時期が過ぎると葉が成長します。日本の彼岸花は三倍体という染色体で実がつきません。中国の彼岸花は二倍体という染色体で実がつきます。その代わり、球根が土の中で増えていくようになっているので、一箇所に群がるように花が咲きます。北海道でも彼岸花は育つので、極端に寒くなければ大丈夫です。葉が枯れる翌年の5〜6月に球根を掘り出し、また土に植えます。

彼岸花と相性の良い花

フラワーアレンジメントでは、赤系ピンク系と色で合わせることが多いようです。秋の花同士で合わせたり、日本の花同士で合わせても良いですし、海外の花と合わせても明るい雰囲気にしても楽しめます。彼岸花は存在感のある花なので、組み合わせるときはほかの花とけんかしないようにバランスを見ると良いでしょう。
(組み合わせの例)
赤系統の彼岸花…バラ(赤)・カーネーション(赤)
黄色系統の彼岸花…コスモス・ガーベラ・ユーカリ
ピンク系統の彼岸花…バラ(ピンク)・ダイヤモンドリリー・ネリネ(彼岸花の仲間)
白色系統の彼岸花…バラ(白)・カスミソウ・トルコ桔梗・カーネーション(白)

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